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中古マンションの修繕積立金、どこを見る? 買う前に確かめたいこと

公開更新 お金

は、マンションを買ったあとも、毎月ずっと払っていくお金です。家の値段ばかり見ていると、つい後回しになりがちです。

ここでは、中古マンションを見る時に、修繕積立金まわりで実際に何を確かめているかを書きました。

1. まず、よその物件と見比べる

最初にやるのは、ポータルサイトなどで、物件の価格や広さ(平米数)、そのあたりの相場をざっくり見ることです。いきなり細かい書類を読むより、まず「この広さでこの金額は、高いのか、安いのか」の感覚をつかみます。物件の値段と一緒に、と修繕積立金の月々の額も並べて見ます。

いくつも物件を見ていくと、だんだん目が慣れてきます。「このマンションは、広さのわりにちょっと高いな」が、ぱっと分かるようになります。はじめのうちは、同じ駅の近くで、同じくらいの広さの物件をいくつか並べて見るのがおすすめです。

国も目安を出しています。国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)では、20階未満のマンションの修繕積立金は、広さ1㎡あたり月におよそ次のくらいです。

国の目安を見る(押すと開きます)
  • 建物全体の床面積が5,000㎡未満:月235〜430円(平均335円)
  • 5,000〜10,000㎡:月170〜320円(平均252円)
  • 10,000〜20,000㎡:月200〜330円(平均271円)
  • 20,000㎡以上:月190〜325円(平均255円)
  • 20階以上のマンション:月240〜410円(平均338円)

※機械式駐車場の分は入っていません。機械式駐車場があるマンションは、その分が上乗せになることがあります。

ただ、この数字は「今払っている額」ではありません。これから30年ほどの修繕の計画全体でならした平均です。修繕積立金を、はじめは安く決めて、あとで少しずつ上げていくマンションは、半分近くあります(出どころ:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」。段階的に上げていく決め方は47.1%)。そのため、今の額はこの目安より安く見えることがあります(出どころ:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」令和6年6月改定・8ページ)。

2. まず軽く調べて、最後は重要事項説明書で確かめる

まずは、お金をかけずに調べます。をもらう前でも、分かることはあります。

  • 今の月々の額:ポータルサイトや、物件の紹介の紙(販売図面)に、管理費と修繕積立金の月々の額が載っています。
  • 内覧の時に、口で聞く:「前のはいつでしたか?」「積立金が上がる予定はありますか?」。これくらいなら、買うと決めていなくても気軽に聞けます。

資料を頼むのは、ある程度「ここええな」と目星がついてからです。頼む先は、仲介の不動産屋さんが筋です。管理会社が出す「重要事項調査報告書」には、積立金の残高・・借入・修繕の履歴がまとまっています。

このマンションを買うと決めたら、契約の前に重要事項説明書をもらって、よく確かめてください。重要事項説明書は、契約の日に、ハンコを押す直前に読み上げられることが多いです。その場で初めて見ても、じっくり確かめる時間はありません。テスト当日に初めて教科書を開くようなものです。「契約の前に、先にもらえますか?」と、仲介の不動産屋さんに頼んでみてください。

重要事項説明書で見るのは、この2つです。

  • 修繕積立金が、どれくらいたまっているか(積立の状況)
  • に、借金(借入)がないか

積立の状況と、借入。この2つは必ず自分の目で見る‼️

管理組合の借入がある物件には、今まで実際に当たったことはありません。けど、確かめるのは必ずやります。

たまっている額(残高)は、それだけでは多い・少ないを決められません。「次の大規模修繕まで、あと何年か」とセットで見ます。大規模修繕が終わった直後なら、残高が減っているのは普通です。反対に、次の大規模修繕が近いのに残高が少ないなら、値上げやになるかもしれません。計画の上で足りる見込みかは、(この先の工事と、そのお金の予定)と見比べると確かめられます。仲介の人に「長期修繕計画どおりに積み立てできていますか?」と聞いてみるのも手です。

3. 月々の負担が、広さのわりに重すぎないか

「修繕積立金が安すぎて怖い」と感じたことは、正直あまりありません。むしろ「ちょっと高いな」と感じることの方があります。

もちろん、安すぎる積立金にも注意は要ります。はじめを安く決めているマンションは、あとで値上げになったり、まとまったお金(一時金)を集めたりすることがあるからです(「中古マンションを買う前にまず知っておくべき7つのこと」の4番)。ただ、実際に物件を見ていて多いのは、「ちょっと高いな」の方です。

広い部屋なら、管理費や修繕積立金がある程度高くなるのは仕方ありません。けど、50〜60㎡台や70㎡前半くらいの、よくある広さで月々の負担が重いなら、一度ブレーキを踏みます。買ったあとも、毎月ずっとかかる固定費だからです。

月々が重いなら、一回止まる🤔

比べる時は、月々の修繕積立金を、部屋の広さ(専有面積)で割ってみてください。1㎡あたりの額が出ます。たとえば65㎡で月15,000円なら、1㎡あたり約230円です。上の国の目安と見比べられます。ただ、国の目安は計画全体の平均なので、これだけで高い・安いは決められません。ひとつの手がかりとして使ってください。

👀 ここだけ見て

修繕積立金は、買ったあとも毎月かかる固定費。家の値段と一緒に、月々いくら出ていくかで見る。

4. 払っていない人(滞納)は、「いるかどうか」より「どれくらいか」

管理費や修繕積立金を払っていない人(滞納)がいるマンションもあります。その時は、いるかいないかより、全体の中でどれくらいの割合かを見ます。

👀 ここだけ見て

滞納は「いるかどうか」より「どれくらいの割合か」で見る。

正直に言うと、滞納が多いかどうかは、直感では分かりません。国の目安と照らし合わせて見ます。

国の目安は、「1年に集める修繕積立金のうち、3か月以上の滞納が1割まで」です。国の法律にもとづいて、市などがマンションの管理を認める制度(管理計画認定)の基準のひとつです。これを満たしていれば安心、という保証ではありません。

数字を入れて、やってみます。30戸のマンションで、1戸あたりの修繕積立金が月1万円だとします。

  • 1か月に集まるお金:1万円 × 30戸 = 30万円
  • 1年分:30万円 × 12か月 = 360万円
  • その1割:36万円
数字を入れて計算する2コマの図。30戸・1戸あたり月1万円なら、1か月30万円、1年360万円、その1割で36万円
数字を入れてみると、つかみやすくなります(30戸・1戸あたり月1万円の例)。実際の滞納の額は、重要事項説明書や、管理会社が出す重要事項調査報告書で確かめます。(押すと大きく開きます)

このマンションで、3か月以上の滞納が合わせて36万円を超えていたら、国の認定の基準(1割)を超えることになります。36万円は、1戸あたり月1万円なら3戸の1年分にあたる金額です。ただし、これは30戸・月1万円の例です。戸数や積立金の額が変われば、この金額も変わります。

「3か月以上の滞納」は、払う日から3か月以上たっても払われていない分のことです。滞納の額は、重要事項説明書や、重要事項調査報告書に書かれています。ただ、合計の額しか書かれていないこともあります。3か月以上の分が分からない時は、仲介の不動産屋さんに確かめてもらってください(出どころ:国土交通省「マンションの管理計画認定に関する事務ガイドライン」令和8年3月改訂)。

5. いちばん大事にしてほしい2つのこと

知識がなくても、これだけは見てほしいことが2つあります。

  • 何年かおきに、大規模修繕が計画どおり行われてきたか
  • 日頃の管理が、行き届いているか
👀 ここだけ見て

大規模修繕が計画どおり行われてきたか。日頃の管理が行き届いているか。この2つを大事に。

日頃の管理の見方は、「中古マンションを買う前にまず知っておくべき7つのこと」の3番「みんなで使う場所」で書いています。

内覧の時に、外の壁や廊下、手すりなどの鉄の部分を見ると、手入れされているかの感じがつかめます。エントランスの掲示板に、修繕や工事のお知らせが貼ってあることもあります。

大工の目で見るのは、外壁と、防水のまわりです。たとえば、外壁のひび割れや、塗装のはがれ。ベランダや廊下の床の防水が、はがれたりふくれたりしていないか。

もっと詳しく知りたい人へ|長期修繕計画と、総会の議事録

もっと詳しく知りたい人は、長期修繕計画や、管理組合の総会の議事録も見てみてください。これからいつ、どんな修繕をする予定か。そのお金が足りているか。値上げの話が出ていないか。こうしたことが分かります。仲介の不動産屋に頼むと、見せてもらえることが多いです。

まとめと、次にやること

修繕積立金は、金額そのものより、「このマンションが、ちゃんと手入れされてきたか」を知る手がかりです。

  • まず、よその物件と見比べる。1㎡あたりにすると比べやすい
  • 滞納は、いるかどうかより割合で見る
  • 買うと決めたら、契約の前に重要事項説明書をもらって、積立の状況と借入を見る
  • いちばん大事なのは、大規模修繕と日頃の管理

気になる物件が見つかったら、次の順で動いてみてください。

  1. 修繕積立金を広さで割って、1㎡あたりの額にする
  2. 内覧で「前の大規模修繕はいつでしたか?」「積立金が上がる予定はありますか?」と聞く
  3. 目星がついたら、仲介の不動産屋さんに重要事項調査報告書を頼む
  4. 長期修繕計画をもらって、今たまっているお金とこれからの積立で、予定の工事をまかなえるかを確かめる。分からない時は「長期修繕計画どおりに積み立てできていますか?」と聞く
  5. 契約の前に、重要事項説明書を先にもらう
  6. 値上げが気になったら、「中古マンションの修繕積立金は上がる?」
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